毎日にして荘厳

昨日よりも短い今日に…

『八海山 普通酒』

日本酒を飲むときに大きく分けて2つの区分けがある。

一つは、食事に合う日本酒『晩酌酒』。

もう一つはそれだけで美味く、アテが要らない『旨味酒』。

 

『晩酌酒』は料理をより一層美味しくし、決して料理の邪魔はしない。

 

逆に『旨味酒』はそれ以外に何も欲しない。それだけで完結し、それだけで幸せをもたらせてくれる。

 

この二つの分け方はスタンダードでは無く私の独自の区分けに過ぎない。

しかし真理である。……と、思う。

 

そんな区分けの中で最も中間に位置したキングオブ日本酒が『八海山 普通酒』である。

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料理の完全な引き立て役でも無ければ、ウイスキーの様にチョコレート以外、料理を寄せ付けない孤独な酒でもない。

肴にも合えば単独でも飽きない。

新鮮な魚介を陰から引き立てたかと思えば、メインステージで孤独に舞う。

 

澄み切った新潟山麓 八海山の刺さる様な雪解け水の様に淡麗でありながら、濃厚な米の中の糖質と澱粉の瀞みを纏った聖水の様でもある。

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前菜からメインディッシュ、〆から食後のまったりとした時間まで、飽きる事なく眠りにつく最後まで魅了してくれる

『初恋の良妻』の様な酒、

それが『八海山 普通酒』である。

 

無数に飲んだ日本酒の中で『八海山 普通酒』以上にバランスの取れた日本酒に私はまだ出会った事が無い。

 

蔵元:八海酒造(新潟県 南魚沼市

原料米:五百万(麹)、ゆきの精(掛)

精米歩合:60%

アルコール度数:15.5%

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